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3年目の真面目な話。


 敷津小に来て、3年目の桜です。

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 入学式までもたないのが、残念!

 この校長ブログでは、学校の舞台裏での努力や、教育に関する話、子育てとの両立についてなど、私個人の考えを発信しています。公募校長として現場にいる以上、気づいたことは伝えなければと思っています。今日はちょっと労働条件に関する固い話を書きます。




 長岡京市で塾長をしていた時、「3年目」をやはり集大成の年と決め、退職を前提に仕事をしていました。当時、部下だった男性が引き継ぐという体制を作るために、少し引いて仕事をしつつ、提案できることはすべて残していきたいと考えていました。
 
 前もどこかで書きましたが、民間企業は、「人件費を抑えて効率を最大にする」ことを意識しています。その中で、腑に落ちないことが何度もありました。塾の管理職は、授業も担任も持ちます。日曜日の朝に入塾テストや説明会があるので、塾長は出勤です。その後、午後に「日曜特訓」と呼ばれるオプション授業があり、複数の校舎から1か所に児童が集められ、授業が行われます。

 わざわざ余分なお金を出し、子どもを移動させてまで受けてもらう授業です。質が低い授業をするわけにはいきません。一クラスの人数も多く、責任の重い授業でした。

 塾長で指導力が高い先生が、自分の校舎を閉めて午後に開催校に集まります。指導力の高さは、日々の入試問題研究、教材研究、子どもと向き合って授業改善を繰り返す中から生まれます。私は国語教師だったので、毎年、新しい入試問題を解いては傾向の変化を確かめ、授業に反映させていました。

 しかし、プレイングマネージャーの悲しさで、営業用のチラシやDM作りや人事関係の仕事、校舎運営にまつわる雑務も校舎には山積みでした。


 商品である授業を磨いている人が、日曜日の午後に駆り出されて業務が停滞する。一方で、授業に行かなくていい塾長は、営業や事務仕事をのんびり校舎ですることができる。入塾テスト後の面談を午後にこなすこともできる。


 私は日曜の午後の差を埋めるために、塾に泊まり込んで仕事をしていましたが、だんだん腹が立ってきて人事部に「日曜の午後に授業を持つ人には、せめて手当を出してほしい」と訴えました。

 これは会社に大変嫌われたのですが、しつこく言っているうちに最終的に通りました。他の塾長からも、喜んでもらえました。数千円のことですが、私がこだわったのはお金以上に「技術がある、努力している人を尊重してほしい」という1点だったのです。

 ちなみに、このプラス分は私が辞めたとたんに無くなったそうで、残念だと思っています。どんな組織でも、努力する人が報われる仕組みは必須だと思いますし、できる人に甘えた仕組みや「昔の社員はこれだけやっていた」という思い込みは改善しなければと考えています。



 


 学校現場に来て同じような「慣習」に出会い、戸惑うことがありました。

 その中でも「夜19時から始まるPTA実行委員会に教務主任が出席する」ことに関し、朝8時半から夜8時半までの勤務が当然になっているのは、違和感がありました。(管理職は管理職手当の範疇だと認識しています。実はそれも何%か削減されてはいるのですが)

 かつては管理職になる人の見習い修業の場として、出るのが当然だったそうです。あちこちの学校に尋ねると、教務主任が出ていない学校もあれば、土曜日の午前に出勤してもらっている学校もあり、さまざまです。

 「PTA実行委員会がある時は、教務主任を午後から夜の出勤時間に変更する」ことができないか、あちこちに問い合わせました。他にも、教職員に夕方以降の業務を命じなければならない場面もあります。

 最初は「運動会などの行事で、前に出勤時間をずらす(7時~16時など)ことはできるが、後ろは無理」「4%の時間外手当てがついているのでその範囲内だ」「管理規則で決まっていて変えられない」との返答でしたが、先日、学校に「校長命令で勤務時間を前後に15分単位でずらすことは可能」になったと、文書がやってきました。

 小さなことですが、12時間労働をさせて「慣習だから」で済ますより、教職員の体調や意欲を考えて制度を変えていく、少なくとも変えようと努力する姿勢は組織として大事だと思っています。

 自営業時代にコンサルティングや研修で出会った会社も、伸びているところはすべて従業員を大事にしていました。「公務員は甘やかされている」という視線で全てが括られていますが、今や雑誌でこんな特集をされる現状です。

週刊 東洋経済 2014年 9/20号「学校が危ない/スマートフォン大特集 スーパーチープ襲来す! 」週刊 東洋経済 2014年 9/20号「学校が危ない/スマートフォン大特集 スーパーチープ襲来す! 」
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 教育は効率化では語れない側面があるだけに、できる部分だけでも制度や仕組みを変えていければと思います。




 今年度は、パートナーである糸井教頭先生をどれだけ早く帰らせ、休ませるかを考える1年でもあります。校長試験に通りながら、6年目の敷津小での教頭となります。大阪市全域で教頭不足で、30人近くが同じような人事だったようです。中でも、1校目に6年もいるのは異例のことです。

 校長枠を埋めている一人として、責任も感じています。

 だからこそ、あまりに多い教頭業務の改善と、子育て・介護世代が管理職になる中でどう捌いていけば学校運営ができるか、アイデアを出しながら考えていきます。

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 昨日は施設から義母を連れ出し、お花見へ。子どもを遅く生んだので(下の子は夫46歳、私が38歳の時の子)、介護と育児が重なっています。金銭的、時間的な悩みを抱える働き盛りは、晩婚・晩産化で増えています。それでも管理職が必要ならば、両立できる方法を組織全体で考えなければなりません。

 いずれにせよ、「魅力的な教頭・校長」として教職員の目に映らなければ、管理職候補は増えない。

 3年目もますます、糸井教頭と学校を盛り上げて、楽しく仕事をします!


 《先週の2コマ》

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 学年ごとに色分けしていた下駄箱を、前任の志水さんがきれいに塗りなおしてくださっていました。しかし、実際に数えてみると新1年生の倍増+転入も考えると足りません。

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 そこで、転任して来られた管理作業員の野原さんに、「下駄箱が足りない!」と補修をお願いしました。早速、古い下駄箱のサビを落とし、塗り替えてくださっています。

 2人の管理作業員さんが仕事を引き継いで、新入生を迎える準備をしてくれています。他にも新しい机やいすの発注、教室の整備など、みんな例年よりちょっぴり忙しいのですが、チーム敷津にとってわくわくする、嬉しい忙しさです。

 早く来い来い1年生!みんな待ってるよ!


★日経DUAL連載「ママ世代公募校長奮闘記」★
 http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=4826#guidance
 入学・入園期におすすめしたいことを、まとめました。※無料会員制のサイトです

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★敷津小・公式ホームページ★
 http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e611307
 昨年度のバックナンバーが一気に格納されるシステム、変えてほしいな……


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Tag:校長日誌 

プロフィール

山口 照美

Author:山口 照美
前・大阪市立敷津小学校校長。現在は別の形で公教育に関わっています。

大阪市の公募で採用された民間人校長の1人。塾の校長経験を経て起業し、広報代行会社の経営やセミナー講師を11年間務めた後、2013年4月より3年間、校長職を務めました。

介護福祉士の夫と小3の娘、3歳の息子(2016年現在)に支えられ、「経済格差を教育格差にしない」を目標に、企画力と行動力で教育に関わり続けます。

著書『企画のネタ帳』(阪急コミュニケーションズ)『売れる!コピー力養成講座』(筑摩書房)『現代語で読む「たけくらべ」』(理論社)など。

日経DUAL連載中
http://dual.nikkei.co.jp/list.aspx?rid=1436

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