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日々の積み重ね。


 遅ればせながら、「日経DUAL」に記事が掲載されたご報告です。
 
 ◆「運動会延期の舞台裏~親の想い、学校の事情」 ママ世代公募校長奮闘記
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20141112/423905/
 
 外から学校現場に来た身、そして小学生の子を持つ身として、大変な葛藤を味わった運動会でした。その気持ちを正直に書き、公立学校の理解者を増やすことも私の役割だと考えています。来年はただひたすら、晴れてほしいです!




 11月9日に、学芸会を終えることができました。

 大阪中華学校のゲスト出演、生涯学習の詩吟に、地元の方による指導で有志が参加した「劇団しきつ」、金管バンドクラブと盛りだくさんの舞台でした。PTAの皆さんにも当日の受け付けなど、たくさんお世話になりました。ありがとうございます!

 舞台裏では、教職員がいろんな役割で大奮闘。

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 低・中学年の大道具は、木津卸売市場から大量に段ボールをもらい、管理作業員の志水さんが大きなパネルを作ってくれました。絵と仕上げは子ども達です。

 私は、学芸会初体験。劇を通じて子ども達が「他者の気持ちになりきる」「友だちと協力する」「照れや緊張を乗り越える」ことを覚えていく姿に、感動を覚えていました。特に、国語で積み重ねている「心情理解」を体感できるので、劇指導の教育効果を実感しました。

 高学年は、「空襲で卒業式前日に学校が焼けてしまい、卒業式ができなかった」児童が大人になり、100周年の記念式典の際に卒業式をしたという出来事を舞台にしました。「戦火の敷津」という、2年前に先輩が演じた劇の続きです。

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 劇の1シーン、校区にある木津卸売市場に、クラスメイトの消息を聞きに行く場面です。背景には、かつての写真を使いました。

 「戦火の敷津~未来へ」を子ども達が演じてくれたことで、改めて地域・保護者・後輩たちに事実を伝えることができました。当日の出来以上に、「平和について役になりきって考えることができた」ことが素晴らしい。子ども達が真摯に歴史を受け止めたからこそ、「自分たちの子どもが、『戦争で卒業式ができへん』なんてことがあったらアカン!」というセリフに力が入っていました。

 どの学年も、全員が必ずしも本番で最高の出来ではありません。
 リハーサルの方が声が出ていた子もいれば、本番でミスをしてしまった子もいます。

 でも、私は練習から懸命にがんばっていた子を、全力で褒めたい。

 運動会でもそうですが、本番にいたる過程にしっかり目を向けていたいと思っています。もちろん、本番でびっくりするような力を引き出した子も褒めます。しかし、人生は「本番」より「日々の積み重ね」の方が長いので、「本番だけ乗り切ればいい」という考え方では大人になってしんどくなります。

 努力だけでも報われない時代、効率の良さやアピールする力も必要です。
 
 それでも、地道な努力を回避していては、何も積み上がらないと信じています。これは、私の価値観に過ぎないのですが、経験からもそう思っています。学芸会での子ども達の様子を見て、再確認する想いでした。

 行事だけでなく、「当たり前のことを当たり前にやる」学習規律と基礎学力の定着にも、さらに努めていかなければと考えています。

 
 
 

 話は変わって、今年度は月に一度、講堂のスクリーンを使った校長講話をしています。一つには「プレゼンテーション」を見ることにより、伝え方の引き出しを増やしてほしいという願いからです。5・6年生がそれぞれ、この時間を使って修学旅行や自然体験のプレゼンテーションをしてくれました。

 「ヒヤリハット」「日本の学校の掃除はすごい!」「言葉遊び」「いじめ」など、題材は学校の課題に応じて選んでいます。先日は「読書指導」を目的に、図書主任の先生と研究部長を誘って「敷津ミニ★ビブリオバトル」を実施しました。複数の人がおすすめ本を紹介し、投票で「チャンプ本」を決めるものです。この準備過程が、紹介する側の私たちにとって勉強になりました。

 当時好きだったという思い入れで選ぼうとしても、読み直すとうまく伝えるポイントが見つからない。どんな紹介なら聞いてくれるだろう。いろんな児童の顔を思い浮かべながら、最後まで迷いに迷って選びました。

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 他の2人の先生の様子は、敷津小のホームページで!↓
 http://swa.city-osaka.ed.jp/weblog/index.php?id=e611307&type=1&column_id=121262&category_id=7010

 私は「小学生の私が、友だちにこっそり勧めたい本」を選びました。

 
おれがあいつであいつがおれで (角川文庫)おれがあいつであいつがおれで (角川文庫)
(2007/05)
山中 恒

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 映画『転校生』の元ネタ、クラスメイトの男女の心が入れ替わってしまう話です。紹介するために読み直し、一気読みさせるテンポとドキドキ感、そして異性を理解する視点をくれる名作!

 校長室前に置いておくと、借りていく子がいました。他の2人の先生が紹介した本も、子ども達がめくって話題にしています。読書習慣をつけるための取り組みとして、効果的でした。

 「私もやりたい!」という先生や子ども達の声が聞こえていますので、近々「敷津小★ミニ・ビブリオバトル」の第2回を実施したいと思います。




 学芸会後は、転がるように日が過ぎていきます。
 その中で校長としてやるべきことを、着実に実行していかなければなりません。
 
 学芸会の前に、学校協議会を開きました。中間報告として現状と優先課題を話し、今後どう進めていくかを話しました。また、学校のホームページで公開します。
 
 「校長経営戦略予算は人件費に使えない」

 このルールをクリアする方法として、「報奨金×2・3学期の全授業時間数」で音楽・理科・家庭科の専科の先生に来ていただいています。ベテランの授業に学ぶ機会になるだけでなく、各特別教室の整備が一気に進んだのは、小規模校として感謝しかありません。子ども達からも、違う先生に見てもらうことでいい緊張感が生まれています。

 学芸会でも、高学年の合唱と全校合唱で、音楽専科の増田先生にピアノを弾いていただきました。

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 CDではなく、子ども達のリズムに合わせた演奏でより合唱が引き立ちました。練習用のピアノ音源も作ってくださり、各教室であまり活用されていなかったフロッピーオルガン(私にとって驚愕の学校備品の1つ。フロッピー、久しぶりに見ました!)や専用ラジカセが使えたのも、練習の助けになりました。

 理科の井上先生も、家庭科の神山先生も、担任の負担軽減になるだけでなく、ご自身が子どもに関わることや授業を楽しんでくださっています。

 来年度は、この予算が取れるとは限りません。だからこそ、今のうちに週2~3日から可能な、退職したベテラン教職員の専科講師としての活用を提言としてまとめるつもりです。

 明日からも日々の積み重ねを大事に、そして少し大きな視点で学校運営を考えていきます。
 

 《今週の一コマ》

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 これは今日の朝、「浪速区スタンプラリー」に出る前のリハーサルを舞台上でしている我が敷津小金管バンドクラブと、講堂を借りている大阪教育大学付属大学の吹奏楽部の練習風景です。互いに別の曲をやっていますが、どっちも集中していました(笑)。

 子ども達はお兄さん、お姉さんのカッコイイ姿を見て「あっちに入りたい~」とうっとり。金管バンドとたまたま出会ったことを大事に、いつかこうして高校や大学で続けてくれたら嬉しいです。

 学芸会では私も「Let it Go」一曲だけ、トランペットで参加しました。今年からマイトランペットを購入し、悪戦苦闘しています。同じ時期に始めた子ども達の方が圧倒的に早く上達し、「校長先生よりうまい」ことで、彼らのモチベーションを上げる役目と化しています(泣)。

 「学芸会は無理、餅つき大会で出るから」とビビる私を、教務主任の根井先生に「そんなこと言ってたら一生出られませんって!」と押し出されたような感じです。

 来年は、もう少し役立つ音が出せるよう、努力を積み重ねたいです……。


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 ★敷津小学校・公式ホームページ★
 http://swa.city-osaka.ed.jp/weblog/index.php?id=e611307
 学芸会の写真をたくさん載せました!

Tag:校長日誌 

プロフィール

山口 照美

Author:山口 照美
前・大阪市立敷津小学校校長。現在は別の形で公教育に関わっています。

大阪市の公募で採用された民間人校長の1人。塾の校長経験を経て起業し、広報代行会社の経営やセミナー講師を11年間務めた後、2013年4月より3年間、校長職を務めました。

介護福祉士の夫と小3の娘、3歳の息子(2016年現在)に支えられ、「経済格差を教育格差にしない」を目標に、企画力と行動力で教育に関わり続けます。

著書『企画のネタ帳』(阪急コミュニケーションズ)『売れる!コピー力養成講座』(筑摩書房)『現代語で読む「たけくらべ」』(理論社)など。

日経DUAL連載中
http://dual.nikkei.co.jp/list.aspx?rid=1436

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