マネジメント研修を終えて。

 
 学校はいよいよ夏です。
 プールだけでなく、行事や学習園で四季を感じられるのが学校のステキなところ。

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 子ども達にまじって、教務主任のN先生による「とうもろこしの受粉」レクチャーを受けました。ヤングコーンを生でかじらせてもらうと、ほんのり甘い!あの中華料理に入っているヤングコーン、そういう品種だと思っていました……。

 実家の祖母が、歯抜けのトウモロコシをよく作っていた理由も判明。子どもたちがしっかり受粉したとうもろこし、無事に粒が大きくなりますように!
 




 さて、ご報告が遅れましたが140周年を通じて感じたことを、「日経DUAL」に書いたのをご紹介します。
 
 ◆「小学校っていいね」と改めて思った~ママ世代公募校長奮闘記
  http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2795

 
 記念式典の意義は学校の知られざる部分でもあるので、紹介の意味もこめて書きました。次回からは子育て世代の本音、家庭と仕事における苦闘にテーマを戻して書いていく予定です。

 
 学校は日々、課題解決と先を見通した「運営の計画」に基づいて動いています。

 
 特に「安全・安心な学校づくり」に関しては、さまざまな角度から取り組んでいます。先日は、浪速警察署のご協力をいただいて、防犯研修をしました。

 詳しい様子は学校サイトにて紹介しています↓
 http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e611307

 PTAの方と一緒に救命講習を実施したり、児童向けの安全学習をしたりと、意識づけを続けています。

 健康管理でも何でもそうなんですが、人はつい「自分だけは大丈夫」と漠然と思ってしまいがちです。だからこそ、ちょっとうるさいぐらいに「守るべきこと」を示す必要があると考えています。

 「どうせ守らないから」と基準を緩めたり、指導を諦めたりしてしまうと、歯止めが効かなくなって大事故につながりやすくなる。慎重な人が組織内にいることで、ストッパーの役割をして安全が保たれている面があります。敷津小では、養護教諭のO先生や、管理作業員のSさんが丁寧に学校に目を配ってくれています。

 私は指導の立場で、子ども達に嫌われる役回りとなっても、今年は安全教育に力を入れています。

 まぁ、家に帰れば帰ったで、寝る時間の管理や片づけで「ストッパー」の役回りをする羽目になり、ときどき寂しくなるのですが……(涙)。土日がつぶれがちで少ない休み、夜も短い時間しか子どもに会えない時は、めちゃくちゃ甘やかして好かれたいです。本当は。





 修学旅行明けからも多忙な日々が続いています。

 先日は教育センターから依頼があった、「マネジメント研修」で講師を務めました。テーマは「新しい視点での学校経営」です。まだ1年少々で実績を出せているとは言いがたいのですが、かつて塾の管理職だった経験、そして自営業としてさまざまな民間・行政・NPO組織に接した経験から、私が言えることをお話ししました。

 もともと、研修講師として高知県・奈良県・豊中市・伊丹市などで講座を担当したことがあり、久々の自治体組織向けの研修となりました。

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 どうすれば学校現場を元気にできるか、新たな学校運営の視点を提示できるか、明日からすぐできることを盛り込めるか。

 敷津小だけでなく、中規模・大規模校やICT・英語などの研究校、教育委員会の各部署の動きなどに視点を置きながら、気合いを入れて講座を作りました。アンケートでは「外から来た人に『公教育の役割はセーフティーネット』と言われ、自分の仕事の使命を改めて認識しました」というものがいくつかあり、役目を少しは果たせたかと思っています。

 幼稚園の先生もたくさん来てくださっていたので、幼小連携の話もできれば良かったかなと後から思いました。幼稚園や保育園の現場は、家庭ごと抱えた「セーフティーネット」として奮闘しています。

 「子どもというバトンを、未来につなぐ」
 
 スライドには「家庭環境を乗り越えるだけの影響力が必要」と書きました。家庭を信用していないのではありません。しかし、現実に公教育の現場は「社会性を育てる場」としての役割が、年々大きくなっています。もはや、福祉の領域に入っている仕事も多くあり、ある校長先生は「行政は学校の努力にずっと甘えている」と嘆いていました。

 私も、客観的に見て「学校がそこまでするの!?」「それは行政(または家庭)の仕事じゃないの?」と思う話をたくさん見聞きしてきました。しかし、目の前には子どもがいますので、何とかしなければと日々思い、動いています。

 公教育が抱える課題が多くなりすぎて、本来の教育活動に手が回らない現状を「ヒト・モノ・カネ」の制限が厳しい現場でどうするか。

 「愚痴を提案に変える」アイデア出しと、学校現場の課題と努力の広報を、これからも続けていきます。研修を準備する中で、私自身が自分の役割を再確認する機会にもなりました。


 最後に、研修の中で紹介した本を改めてここで紹介しておきます。

 
「つながり格差」が学力格差を生む「つながり格差」が学力格差を生む
(2014/04/09)
志水宏吉

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 「子どもの学校を通じてしか地域社会と接点が無い」家庭が増えています。データを踏まえた「地域社会とのつながり」と学力の関連について、大阪の教育に詳しい志水宏吉先生が書かれています。

 
ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)
(2013/09/04)
杉山 春

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 「セーフティーネット」としての役割を考えさせられる一冊。許される事件ではありませんが、「ひどい母親の起こした事件」ではなく、誰もが陥る可能性のある「孤立育児」のリスクを知ってほしいと思って紹介しました。

 
忙しい毎日を劇的に変える仕事術忙しい毎日を劇的に変える仕事術
(2010/07/25)
大前 暁政

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 ハードな学校現場ですが、工夫の余地があるのも事実です。「教師 仕事術」で検索すると多数の書籍にぶつかります。こういう本は、自分の仕事のやり方と比べ、改善策を考える「チェックリスト」になるのでおすすめです。

 
そうだ、葉っぱを売ろう!  過疎の町、どん底からの再生そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生
(2007/08/23)
横石 知二

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 停滞しきって策が出ないところに、大胆なアイデアを持ち込んで改革するには、全てを見渡して統括する「プロデューサー」が必要なのだと痛感する一冊。異業種の話にも、思いがけないヒントがあるものです。

 
脱ネット・スマホ中毒: 依存ケース別 SNS時代を生き抜く護身術!脱ネット・スマホ中毒: 依存ケース別 SNS時代を生き抜く護身術!
(2013/12/16)
遠藤 美季

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 中高生の教育関係者はこの現実に向き合い、指導をしていかねばならないと知るための本。単に悪と見るのではなく、容赦なくネット・SNS・スマホが存在する社会での「生きる力」を育てるか、デジタルツールに強い若い先生たちの、力の出しどころではないかと思います。

 
新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)
(1996/06)
大村 はま

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 他にも何冊か紹介しましたが、これは私が塾の国語教師時代からの原点本の1つです。「子どもが好き、いい人、では教師は務まらない」と大ベテランに言われ、20代の私は頭をはたかれた気持ちになったものです。

 学び続け、チャレンジし続ける大人を見て、子どもは育つ。

 研究授業ももうすぐスタート、今年度は「言葉で思いを伝え合う」ことをテーマに、私も専門である「国語」にみんなで取り組んでいきます!
 
 
 《忘れられない一コマ》

 修学旅行の感想を書かずに終わっていましたが、私と子ども達が大騒ぎした事件がありました。それは、2日目の「魚釣り体験」でのこと。

 「先生、魚を外してください~」というヘルプに、手のひらぐらいの魚をつかんだところ……

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 ぎゃーーーー
 赤ちゃんがお腹から出てきたーーーーっ!


 「魚って卵から産まれるんじゃなかったの!?」と、自分の手の中で起きたできごとに、出産経験もあるだけに「た、大変なことをしてしまった!」とオロオロ。出てきた赤ん坊を海に放すと、しばらくしてヒラヒラ泳ぎ出しました。臨月だったのか……。
 
 もう1人が釣った魚からは、10匹以上が出てきました。最後の方は助産師の気持ちで「全部の赤ちゃんを無事に出さねば!」と焦りました。

 引率の地元の方も「初めて見た!」とおっしゃっていました。
 後でわかったことですが「海タナゴ」だそうです。

 役目を果たしたオカアチャンは、煮付けとしてその日の昼食に出されることに。子ども達と「命をつなぐ、いただく」ことについて、考える機会にもなりました。今年の修学旅行の、一番の思い出です。

 
 ★敷津小学校・公式ホームページ★

 http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e611307
 プールも始まり、暑い夏がやってきました!

Tag:校長日誌 

プロフィール

山口 照美

Author:山口 照美
前・大阪市立敷津小学校校長。現在は別の形で公教育に関わっています。

大阪市の公募で採用された民間人校長の1人。塾の校長経験を経て起業し、広報代行会社の経営やセミナー講師を11年間務めた後、2013年4月より3年間、校長職を務めました。

介護福祉士の夫と小3の娘、3歳の息子(2016年現在)に支えられ、「経済格差を教育格差にしない」を目標に、企画力と行動力で教育に関わり続けます。

著書『企画のネタ帳』(阪急コミュニケーションズ)『売れる!コピー力養成講座』(筑摩書房)『現代語で読む「たけくらべ」』(理論社)など。

日経DUAL連載中
http://dual.nikkei.co.jp/list.aspx?rid=1436

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